『私立希望ヶ峰学園とは……
”特別な才能を持つ高校生”だけが入学を許可される、政府公認の特殊教育機関である。
国の将来を担う”希望”の育成を目的とし、その卒業生の多くは各界の重要ポストを担っている。
入学生はスカウトによってのみ集められているが、それをスカウトするのは……、才能の教育者であると同時に才能の研究者でもある、希望ヶ峰学園の”教職員達”だった。
希望ヶ峰学園は、単なる才能の教育機関ではない……。
同時に”才能の研究機関”でもあるのだ。
だが……希望ヶ峰学園はここ数年、深刻な資金不足に悩まされていた。
このままでは、才能の研究が立ち行かなくなると考えた学園側は……、ある制度の導入に踏み切った。
それが『予備学科』である。
教職員がスカウトで生徒を集める”本科”とは違い、予備学科は一般入試によって生徒を集めた。
また、予備学科で教鞭を取るのは、外部から雇われた”一般的”な教職員でしかなかった。
さらに、予備学科の学費や授業料は、一般的な高校と比べるとかなり高額に設定されていた。
それでも……希望ヶ峰学園への入学希望者は殺到した。
希望ヶ峰学園が”才能のない一般人”に開いた門戸……。
そのブランド力に人々は群がったのだ。
こうして、希望ヶ峰学園は莫大な資金を得て、更なる才能の研究に没頭していった。
学園創立以来の悲願である、”人類の希望となる真の天才”を生み出す為に……。
だが、そんな矢先……かつてない悲惨な事件が希望ヶ峰学園を襲う。
世界を震撼させた”人類史上最大最悪の絶望的事件”のきっかけと言われる事件……。
そう、”希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”である。
その悲惨な事件に飲み込まれた希望ヶ峰学園は、志半ばにして長い歴史に幕を下ろす事となった』